弐千拾年關東下向記Ⅲ
(甲麓庵歌會第拾七囘關東例會橫濱吟行)
左・右：本章は前章から引き続き、1月23日に開催した甲麓庵歌會第17回関東例会(横浜吟行)の折の写真で構成する。まずは山下公園から見た氷川丸。1930年に日本郵船が横浜～シアトル間の太平洋航路に就航させた12000トンの豪華貨客船である。
左：氷川丸の船尾。
右：そこから見たホテルニューグランド。つまりホテルの真正面に繋留されているのだ。
左：波止場のベンチは何故だかアール・ヌーヴォー調であった。
右：氷川丸を右舷後方から見る。
左：氷川丸の隣に停泊中の観光船。しかし｢マリーンルージュ｣って、つまり｢赤潮丸｣ということじゃσ(^◇^;)?
右：氷川丸の船尾細部。スクリューは二つあったが取り外されている、との由。
左・右：不当から見た氷川丸。二百円也を払って乗船した。
左：氷川丸から見たみなとみらい方面。
右：クィーンの塔こと横浜税関が見えていた。ロマネスク調の優美な建築は1934年竣工、設計は吉武東里と伝えられるも詳細不明とのこと。
左：まず入口で氷川丸の記録映像を鑑賞してから、船内を順路に沿って探索。
右：照明器具なども多くオリジナルが残っていた。
左：同じ照明を、露出を変えて撮影。
右：12000トンとかなり大きな船でしかも貨客船とはいえ豪華な設えなのに、エレベータはなかった。
左・右：廊下の様子。船内だけに通路は狭い。天井も高くない。
左：現役時代の船内配置図。
右：木の扉の消火栓。
左・右：一等児童室。一等先客の子供だけのための遊戯ルームである。
左：遊戯室におかれていた、やたら前髪が垂れている木馬。
右：遊戯室の壁のぐるりに非常にいいイラストの琺瑯装飾が施されていた。
左・右：一等児童室の琺瑯壁画。
左・右：同上。
左：おばさんを背負う少女?!
右：磯野かつおそっくりの少年。
左：広くはないが、子供のための施設としてはなかなか立派なものであった。
右：児童室を出るrjuka君。
左・右：児童室前には華麗な大階段が。シャンデリアなど見事なアール・デコである。
左：大階段前の鏡と時計。こちらは下階であるＢデッキ。
右：大階段の鏡と時計。こちらは上のほうはＡデッキである。
左：写真では判りにくいが、Ｂデッキからの大階段が途中の踊り場で左右に分かれてＡデッキに到達する。
右：Ａデッキの手摺りには氷川神社の紋章が。
左：一等客用の廊下などの壁面は概ねこの装飾であった。
右：Ｂデッキの一番前は一等船客用食堂であった。非常に豪華なアール・デコ様式である。
左：一等食堂。当時の銀器などが飾られている。
右：一等食堂のモダンな時計。
左：重厚なキャビネットと時計。
右：一等食堂中央はこのように天窓から光が射す構造になっていた。とはいえ最上階ではないし、自然光ではない。
左・右：かつての天窓はアール・デコ・デザインの擦りガラスが使われていたらしい。これは残念ながら普通の硝子に印刷しただけのぱっちもんであった。ちゃんと復元して欲しい(>_<)。
左：壁面の木彫などもアール・デコであった。
右：?細工だが、当時の正餐が再現されている。
左・右：この時代に生まれてこういう船旅を経験してみたかったもんだ。
左：天井細部。
右：船用の防水丸窓を隠すようになっていた。
左・右：一等食堂の照明を露出を変えて撮影。
左・右：一等食堂。細部まで繊細に装飾されていた。
左：ファーストクラスオンリーとは書かれていないが、一等船客専用である。
右：一等食堂の扉。
左・右：食堂を出ると先ほどの大階段である。児童室の入口が見えている。
左：大階段、Ｂデッキの時計。
右：大階段、Ａデッキの時計らしきものは、どうやら気圧計らしい。
左・右：大階段をＡデッキまで上がると、郵便局がある。ここで投函すると、実際の配送は勿論入港後になるのだが、船内消印を押してくれるので旅の記念に人気だったそう。最上部、一等船客用のゾーンにあるが、ここは誰でも利用できたらしい。
左・右：カウンターの向かって右側にポストがあった。
左・右：郵便カウンター内部。壁面の丸は時計の跡だろう。
左：郵便局前、大階段のシャンデリア。
右：Ａデッキに上がると、小さいながらも図書室があった。これは読書用のテーブル。
左：氷川丸には二等船室はなく、｢天国と地獄｣ではないが、一等と三等のみであった。そしてここは一等読書室。図書館すら一等専用だったのだ。しかしこの可愛らしい書架からして、それほどの本を備えていたわけではなさそう。左から現風研のＹ氏、洋子ちゃん、rjuka君。
右：一等読書室内部。
左：Ａデッキまで昇っても、窓はこのように頑丈な防水仕様であった。北太平洋の荒波は最上階でも容赦なく襲ったのである。
右：このように現在でも開閉可能な状態で保たれていた。
左・右：図書室の奥に優美なアール・ヌーヴォー調の扉があって、そこを入ると一等船客用ラウンジルームであった。｢一等社交室｣である。
左・右：真鍮製のノブも優美な木製扉。
左：非常に豪奢な一等社交室。
右：船内だし実際に薪を燃やすのではなく電気だったとは思うが、大理石製の暖炉まであった。この階の装飾擦りガラスは本物が残っている。
左・右：美しい天窓。但しこの階も自然光を導入しているわけではない。やはり強度の問題だろうか。
左：天窓。傷みや汚れはあるが、ぱっちもんよりこのほうがよほどいい。
右：アール・デコ調の暖炉。
左：壁にはタペストリーが。rjuka君と洋子ちゃんである。
右：そしてrjuka君とラ・リュミエールさん。
左：こうやって見ると、やはり本当に薪を燃やしていたのだろう。
右：その暖炉の前で、僕である。
左：社交室の素敵な照明。
右：こちらは一等専用と明記されているが、英語と日本語で表現が違うのが面白い。
左：社交室の扉。
右：社交室の銘板。
