旧作補遺和歌山篇T



 

左・右:和歌山を本拠地にNPO団体「銀聲舎」を立ち上げ、アート・カルチャー活動を繰り広げている僕であるのに、このサイトでは和歌山県の写真は全く取り上げていなかった。ということで、旧作補遺としてまず2004年撮影分からアップしたい。これは2004年7月24日、所属している毎日新聞糸瓜句会の吟行合宿で高野山を訪れた時のものである。難波から乗った南海高野線快速急行が高野下止まりだった上に接続が非常に悪かったので、一度改札を出て周囲を散策、駅も撮影したのだ。南海電車は浜寺公園駅をはじめ古い駅舎がよく残っているのだが、高野線の橋本駅より奥は全て大正後期から昭和初期にかけての木造洋館である。



 

左:高野下駅は駅の下がこのように道路になっていて、非常に面白い構造である。
右:駅は谷間の小集落にあるのだが、このように廃墟もあった。



 

左:同じ廃墟。右端に写っているのが高野下駅。
右:朝顔が見えている。



 

左:駅前の商店長屋。これも相当古い。
右:手書きのブリキ看板も懐かしい。



 

左:高野下駅のホームから廃墟を撮影。
右:高野線の終点極楽橋駅から南海電車高野山ケーブル線に乗り換えて、山頂の高野山駅に至る。1928年竣工の和洋折衷の木造建築で、「南海電気鉄道鋼索線高野山駅駅舎」として国登録有形文化財となっている。



 

左:高野山奥の院付近の墓地には悪趣味な現代成金のものから大名家のもの前で、非常に色々なお墓が並んでいて面白い。これは有馬家のもの。藤原純友の末裔という肥前有馬氏だろうか。
右:こちらは有名な長州藩の毛利氏の墓所。因みに毛利氏の本姓は珍しくも源平藤橘ではなく、大江氏である。



 

左:アルカイックな雰囲気の石仏。
右:奥州の覇者伊達氏の墓所。



 

左:高野山は「聖地」としては比叡山に比してあまりにも俗っぽいが、「山上都市」と見れば非常に面白い。古くていい建物も多い。この酒屋さん「辻栄」の看板、電話番号が101番と書いてある。



 

左:えらく可愛い象の石造ベンチ。
右:明けて25日の写真。これはどこだろうか? 写経に訪れた高野山大師教会か、泊った宿坊か、とにかくごてごての悪趣味な部屋である。いかにも真言宗らしい。



 

左・右:便所にて。一々こんな梵語の呪文を唱えながら用便するらしい。どうやってうがいしながら唱えるのだろう(笑)?



 

左:綺麗な花が咲いていた。
右:コンビニにて。「ココでお弁当作ってお惣菜います!」としか読めないww。



 

左:この煙草屋さんも渋い。金剛三昧院の近くに、高野山で一番美味しい胡麻豆腐の「濱田屋」がある。
右:電話番号が三桁という年季物の看板。しかしこの南海食堂の評判については散々であった(日記参照)。



 

左・右:南海電車高野山駅の内部。非常にいい雰囲気であった。格天井である。



 

左:丸い窓もあった。乙女チックである。
右:高野山駅のホームとケーブルカー。



 

左・右:子供の頃から六甲ケーブル、摩耶ケーブルなどよく乗っているわけだが、ケーブルカーというのは独特の情緒があっていいものだ。



 

左:極楽橋で高野線の特急「高野号」に乗り換えて、難波に到着。この日はこのあとくれぴ少年(知り合ったばかりの頃だった)と合流して、天神祭に行ったのだった。
右:ここからは2005年の撮影。まずは4月23日に、高野山を訪れている。



 

左・右:全山塔頭だらけの高野山金剛峰寺だが、この辺りは金剛峰寺本体の中枢である。



 

左:金剛峰寺の細部。
右:今でも使ってるのだろうか? なんと駕籠があった。



  

左・右:堂宇の写真をいっぱい撮っているが、考えてみたら当サイトの趣旨にそぐわないので大幅に割愛する。これは根本大塔。これは「近代和風建築」なので掲載する。1937年竣工の鉄筋コンクリート造である。



 

左:金剛三昧院の枝垂桜。
右:これが奥の院名物、奇妙な企業墓である。これはロケット型。



 

左:白蟻供養塚。
右:福助足袋のものは福助の石造であった。



 

左:これは個人が建てた愛犬のお墓。
右:現代的なお墓と、古い古い石塔がごちゃごちゃに並んでいるんだから、カオス的で面白い。



 

左:社会主義リアリズム的なのは日産自動車だった。
右:とても朗らかなお地蔵さん。



 

左:和歌山県警橋本警察署高野山幹部交番(旧警部派出所)。元々は独立した高野山警察署だったのではなかろうか? 近代和風建築で、素晴らしい。和歌山県技師松田茂樹の設計、高野山の宮大工、辻本彦兵衛の施工で1923(大正12)年に竣工とのこと。
右:正面二階窓の上には警察の徽章が。



 

左:信号機が邪魔だが、ちょっと斜めから撮影。
右:正面ファサードを横手から。



 

左:官舎前には文字通り「警察の犬」がつながれていた(笑)。可愛い。
右:正面玄関細部。



 

左・右:高野山警察細部。アルミサッシなどにされず、オリジナルの古い建具と波打った骨董硝子がそのまま使われていて素晴らしい。



 

左:見事な枝垂桜と高野山署。
右:南海高野線九度山駅。素敵な洋館である。とってもローカルな雰囲気だが、高野線は大手私鉄南海電鉄の二大本線の一つだし、またヌルッと関西使用可能エリアなので、自動改札が設置されている。



 

左・右:九度山駅。ハーフチンバーの素敵な洋館で、実に長閑な雰囲気。



 

左:駅舎から駅前広場を見る。
右:線路を渡って反対側から撮影。懐かしい構内踏切が現役である。



 

左:ホームの屋根も木造である。
右:ホーム側から見た九度山駅舎。



 

左:高野線は本線とはいえ、橋本より奥(南)は単線の登山鉄道である。複線になっているのは駅構内だから。
右:こちらのホームも木造の屋根。そして石積みである。



 

左・右:これは学文路駅。これで「かむろ」と読む。破風の天辺が新しい南海カラーに塗られているのがどうにも違和感があるが、とにかく古い駅舎を大切に使っていて素晴らしい。



 

左・右:学文路駅細部。



 

左・右:この駅にも構内踏切がある。



 

左:駅舎内部。
右:電車が到着した。



 

左:高野線は、橋本まで専用の電車と、高野山(極楽橋)まで乗り入れる電車では、サイズが違う。難波〜橋本間は大都市近郊の通勤路線なので20メートル級車両が最大十両編成で走っているのだが、橋本〜極楽橋間は急峻な登山鉄道なので、全長15メートルの短い車輛しか乗り入れられないのだ。全席指定の豪華特急「高野号」も、15メートル級の短い車輛である。
右:学文路駅のトイレは汲み取り便所なので、このように昔懐かしいガス抜きがついていた。しかし最近のは電動式らしい。



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