旧作補遺大阪篇其の四(2004年撮影分)



 

左:地下鉄住之江公園駅前に、なんと木製のバス停が残っていた。降り場だからこのまま使われているのだろうが、吃驚した。なお、本章はまず甲麓庵歌會第七回関西例会時の写真で始まる。よって撮影日は下見に行った二千四年三月二日と、本番の三月二十八日である。
右:会場となった大阪市立加賀屋新田会所へ向かう道すがら、変な扉を見つけた。



上:住之江公園駅近くにあった、古い銭湯。当時すでに廃業していたので、現存しているかどうか危ういところである。



上:同じ銭湯。このように側面は飲食店となっていたが、こちらも閉鎖されていた。



上:これも閉鎖された、古いアパートメント。玄関で靴を脱いであがる、非常に古いスタイルである。



上:これは戦後すぐから高度成長期にかけて建てられた、関西式文化住宅。この物件の場合、それほど古さを感じないので、70年代のものと思われる。



上:加賀屋新田会所近くの面白い屋根を備えた小祠。



上:古い古い民家。加賀屋新田会所のすぐ近くである。大阪市内であるにもかかわらず、町家ではなく農家の造りであるところに注目。この界隈、大和川にも海にもすぐ、大阪市としてはもっとも外れに当たる。市街地化したのは戦後のことで、長らく農村地帯だったのである。



上:会所のすぐ裏にも、立派な長屋門を備えた豪農住宅があった。現在も加賀屋(桜井家)の末裔が住んでいる。



上:加賀屋新田の寺院。二つの寺をまとめたらしい。神社の合祀なら時々あるが、寺号をそのままに二つが一つになっているのは珍しかろう。



上:この豪壮な長屋門が、加賀屋新田会所の正門である。豪商加賀屋甚兵衛により1745年より開発が始まった加賀屋新田の拠点で、現在の建物は1754年に建てられた。会所とは新田における役所である。この門はオリジナルではなく宮大工による現代の復元建築。



上:会所の式台玄関。格式のある武家屋敷の数寄屋造りになっている。



上二枚:会所内の障壁画。



上:小堀遠州流の庭園は「愉園」と命名されている。



上:縁側の天井と欄間。



 

左:蹲は当時としても既に骨董品であったものだろう。
右:箪笥階段。



上:座敷からの景観。



上:非常に凝った硝子障子。これはもちろん近代以降に設置されたものだろう。



上:硝子障子は縁側に用いられている。



 

左:この蹲も元々は仏寺のものだろう。
右:エキゾチックな蘇鉄が植えられていた。



上:母屋はこのように清水寺を思わせる舞台造りになっている。水都大阪だけあって、かつてはこの池から舟に乗って道頓堀まで芝居見物に行ったりしていたとのこと。風雅である。



 

左:愉園の冠木門。実際傾奇いた屋根である。
右:歌會は地下鉄四つ橋線住之江公園駅に集合し、加賀屋新田会所に至り、帰りは阪堺線我孫子道駅まで歩いた。途中の本屋で見つけた、懐かしい小学館マーク。



上二枚:我孫子道駅近くの商店街で、非常に懐かしいものを見つけた。当時既に現役ではなかった。



上:我孫子道駅付近の路地裏の光景。



上:阪堺電気軌道阪堺線我孫子道駅付近。下手糞な字で「たこ焼」と書いてある店舗、よく見れば洋館風である。大阪府内唯一の路面電車で、2009年現在まだ戦前に作られた電車(最古参は1928年製)が現役で走っている、極めて貴重な路線である。



上:同じたこ焼屋。軒飾りがビルヂングっぽい。



上:撮影日不明なるも、2004年3月、ただし歌會の日以外と思われる。当時既に閉鎖されていた、モダニズム色の濃い戦前物件の大阪市立旧阿倍野体育館。いまだに廃墟と化しつつ現存している。「舘」と旧字体なのがいい。



 

左:同じく旧阿倍野体育館。阿倍野筋に面している。
右:歌會のあとは、飛田新地遊廓の料亭「鯛よし百番」で宴会となった。その模様は当サイト「遊廓篇U」に収められている。これはその帰り、飛田本通り商店街にて撮影した古風なキャバレー「アイノス」である。



上:「アイノス」の壁面。Aynosuだが、何語だろう? やはり「愛の巣」か?



上六枚:いずれも飛田本通り商店街の、「昭和そのもの」の光景。



 

左:これも飛田本通り。
右:飛田本通り商店街は、地下鉄動物園前駅に至ったところで国道43号線を渡り、国鉄環状線のガードをくぐり、新世界の「じゃんじゃん横丁」となる。これはずぼらや前から見た通天閣。今はなき日吉食堂が健在な頃である。この頃から個人商店、昔ながらの地元の店が減りはじめ、大手外食資本による「わざとらしく演出された大阪」的な店が増えはじめるのであった。



上:新世界にて。萩尾望都女史が大家だろうか(笑)。



上:これは新世界本通り商店街にて。「アパート」とあるが、まだ新しい綺麗なマンションである。レズビアンのお婆ちゃんカップルが持ち主ならかなり素敵なのだが。実際、表通りなのに一階にはゲイショップが入っている。あ、ゲイのおねぇさまカップル(相当高齢な)が持ち主かもしれない。それも素敵である。



上:通天閣の麓にある、非常に渋いサウナ。ネオンが痺れる。一度入ってみたいが、2009年1月30日現在、まだ入ったことがない。



上:通天閣と通天閣型ネオン。



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