旧作補遺大阪篇其の拾壱



 

左・右:旧作補遺なので、作成しているのは2009年5月5日だが、撮影したのは2007年分である。3月11日、くれぴの合格祝いの食事会ということで、ヒロポンも一緒に三人で阿倍野へ行った。これは旭本通り商店街だが、この界隈、2008年末から完全に破壊され、今は一面の更地となっている。大阪市の愚策である。



 

左:商店街(つまり表通り)に出された、超有名な洋食屋「マルヨシ」の看板。
右:そこから路地に入ると、マルヨシが見える。歩いているのはヒロポン。



 

左:マルヨシは今も移転して健在ではあるが、この雰囲気は永久に失われてしまった(>_<)。
右:当日のメインディッシュ。



 

左:もう一皿。ここの料理は絶品なのである。
右:阿倍野地下街にて。「街娼」とはまた、えらく古風な表現が生きていた。



 

左・右:遡って2月12日。携帯にて撮影した、破壊工事中の軍艦アパート。モダニズムの傑作だったのだが(>_<)。



 

左・右:大阪市営下寺住宅の破壊現場。



 

左・右:同上。



 

左:更に遡って1月12日、鍼灸院の帰りに歩いた西成区梅南にて、新しい大衆演劇用劇場「梅南座」に遭遇した。この業界、意外と元気なようだ。
右:これは1月14日、船場心斎橋にて。結構好きな外装だった店が、廃業していた。



 

左:同上。
右:3月13日、たまたま遭遇した西天満の料亭「牡丹」の破壊現場(>_<)。



 

左・右:同上。せめてこの洋館部分だけでも残してくれたらよかったのに(´ω`;)。



 

左:4月2日、阪急百貨店梅田本店跡地。ひどい話である。
右:同日撮影、四ツ橋筋の京町ビルヂング。1926年の竣工で設計は岡部顕則。不細工な六階はもちろん建て増しである。



 

左:京町ビルの軒蛇腹。テラコッタの装飾も美しい。
右:西区靭本町の崎山ビルヂング。大正12年というから1923年の建物。設計者は不詳だが、元々は信楽焼の問屋で上階には店主家族以下従業員が居住していたとのこと。生駒ビルヂングなどもそうだし、この時期の店舗ビルの大半はそうだったのだろう。旧西横堀川に面しているのだが、これは裏側から見たところ。かつては蔵があったそう。



 

左:裏口にも美しいアーチがあしらわれている。非常に水準の高い建築だが、手入れが悪いのが非常に惜しまれる。
右:崎山ビルヂング正面ファサード。このようにネットがかけられているが、一階には大阪屈指のイタリア料理店「オピューム」が入っている。大変な名店である。



 

左:崎山ビル一階。
右:崎山ビル玄関ステンドグラスを内側から見る。



 

左:同じところ、ストロボを焚いて撮影。手入れは悪いが、非常に繊細な装飾が施されていることが判る。
右:崎山ビル玄関天井。



 

左:崎山ビル一階廊下。左右の壁は後付である。タイルの床が美しい。
右:崎山ビル階段。なんと無垢の大理石製である。親柱の装飾も見事。



 

左:崎山ビルの柱頭。イオニア式だが、ゼセッションの香りが濃厚である。
右:本町通に面した相愛学園。高等女学校時代からの建物がわずかながらに残っている。



 

左・右:ここから、四月四日の撮影。まずはこのサイトでも既に二度ほど掲載している、大阪市交通局曽根崎変電所。1936年の建物である。つまり地下鉄開業に合わせて作られたものだ。



 

左:阪神高速環状線の下、大江橋の橋上から重要文化財大阪府立中之島図書館、重要文化財大阪市中央公会堂を望む。左の公会堂は岡田信一郎の設計で1918年(大正7年)に竣工、右の図書館は住友男爵の寄贈により野口孫市日高胖の設計で1904年に建てられた。
右:重要文化財大江橋の橋上から、日本銀行大阪支店を見る。1903年、辰野金吾の設計で建てられた。奥に見えている美津濃本店も近代建築である。



 

左・右:日本銀行大阪支店。実は外壁保存の上の建て替えで、屋根のドームなどは復元されたもの。



 

左:重要文化財淀屋橋の橋上から土佐堀川上流を見る。奥の時計塔は光世証券本店。
右:大阪で唯一残る水上レストラン、「かき広」。



 

左・右:かき広。なんとも時間が止まったようないい空間である。



 

左:淀屋橋から住友本館(三井住友銀行大阪本店)、大同生命館(大同生命大阪本社)を見る。背後で建設中なのは極右田母神お手盛り賞金ホテル。
右:淀屋橋南詰の近代建築、石原時計店美津濃ミズノ本店は1927年に岡田建築事務所の設計で建てられたのだが、外観には当時の面影は残っていない。



 

左:こちらは石原時計店。1939年に当主石原政造のデザインで建てられた。
右:住友本館正面。昭和5(1930)年、設計は長谷部鋭吉・竹腰健造である。



 

左:旧西横堀川を挟んで、住友本館と大同生命館は隣り合っている。
雨樋のガーゴイルが可愛い。



 

左:住友本館正面玄関附近。右側の品性下劣なビルは、放射能汚染で人類滅亡を目論むガミラスのごとき悪の秘密結社、関西電力のアジトである。
右:住友本館正面。旗竿が素晴らしい。



 

左:住友本館正面玄関両側に設置されている、可愛らしいガーゴイル。東西の脇玄関にも同じものがある。
右:阪神高速環状線越しに見た、大同生命館。平成も5年となった1993年という非常に新しい建物にもかかわらず前面テラコッタ張り、ネオ・ルネサンス様式なのは、大正時代の1925年にウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計で建てられた華麗な旧ビルの意匠を引き継いだからである。



 

左:最上階の装飾を見ても、とても戦後も戦後、平成になってからの建物とは思えない。
右:一階はこのように絞られている。これは旧ビル一階内部のヴォールト天井を外側に復元したものである。



 

左:肥後橋南詰から見た大同生命館全景。右側遠景は住友本館である。
右:肥後橋南詰、土佐堀川沿いに建つ小品、登録有形文化財山内ビルヂング。設計者不詳で1930年の竣工。



 

左・右:山内ビル。



 

左・右:山内ビルヂング。あまり入る気になれないレストランになっているのが残念。



 

左:山内ビル。このビルは土佐堀川から見ると更に美しい。当サイト内に既に掲載している。
右:錦橋可動堰からみた、土佐堀川上流。橋は需要文化財淀屋橋である。



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