古式エレベータ集成V



 

左:故・池袋三越のエレベータ。1983年3月、大学受験のため初めて東下りした時に寄った、僕にとっては「東京のデパート」の原風景となった百貨店であったが、残念ながら現存しない。1983年当時は手動式エレベータであった。しかし片開き三枚扉、そのうち一枚は戸袋という構造が、元は手動であったことを偲ばせる。
右:旧神戸生絲検査所新館(旧国立生絲検査所)のエレベータのインジケータ。非常に珍しい、半円形なのに針式ではなく電光式というもの。1932年に置塩章の設計で建てられたゴシック様式の名建築で、農林水産省により破壊の危機に瀕していたところを神戸市が買い取り、市立デザインクリエイティブセンターとして保存活用することが決定している。



 

左:エレベータ全景。型押しの古風な扉だが、「窓付きエレベータ」としては異例の、不透明な硝子が採用されていた。
右:その硝子も、今では希少な六角網入り硝子である。



 

左:呼出釦と、一番下は「扉閉」と書いてある。「古式エレベータ」としてはかなり進化した、自動駆動、自動扉式、但し籠を降りたあとこの釦を押して扉を閉めないと勝手には閉まらない、というタイプである。これと同じタイプのものは、故・大阪赤十字病院に設置されていたことを記憶している。



 

左:大改修が施されているため、新館より新しく見える旧神戸生絲検査所旧館(旧神戸市立生絲検査所)。正面玄関入って真正面に主エレベータがあるというビルヂングなのだが、こちらはデジタルな新しいものに換えられている。こちらは清水栄二の設計、1927年竣工である。
右:生糸検査所のすぐ隣には、新港貿易会館がある。この中途半端な三枚扉は、元は蛇腹扉であったと思われる。1934年、新港相互館として建てられた(設計不詳)。



 

左:新港貿易会館のエレベータのインジケータ。上に丸い穴がふさがれているのが、かつての針式インジケータの残滓であろう。
右:兵庫県公館正面玄関入ったところにある二台のエレベータも、インジケータは半円形針式である。1902(明治35)年に山口半六の設計で建てられたネオ・ルネサンス様式の名建築だが、大事に対戦時に米軍による非人道的な無差別爆撃で内部を消失、戦後は内部を新築し県庁舎南館として使用されてきたが、1985年に再度の大改修で屋根の姿を当初の形に復元し、兵庫県公館(迎賓館と県政資料館)となった。エレベータの設置は新しく、実は1985年なのだが、ちゃんと建物の雰囲気に合わせたわけである。



http://www.youtube.com/watch?v=-NQweuaFls0&feature=related
youtubeで見つけた、プラハの原始的タイプのエレベータ。日本には元から入ってこなかったものである。

http://www.youtube.com/watch?v=ZR_rf3LTkjc&feature=related
自動駆動式、籠扉が蛇腹伸縮扉、外扉がお洒落な菱形窓のついた一枚引き戸というヒューストンのエレベータ。

http://www.youtube.com/watch?v=rNv3VwUPG-o&feature=related
なんと、ガウディ建築、カーサ・バトリョのエレベータ!!

http://www.youtube.com/watch?v=PUYh3iCkZWI&feature=related
日立エレベータ。自動駆動式、手動扉だが、それほど古いものではなく、場所も香港のようだ。

http://www.youtube.com/watch?v=8IFg4DygYcU&feature=channel
結構古いオーティス。やっぱり世界各国にマニアがいるようで色々出てくるが、でも手動式のものはないなぁ。

http://www.youtube.com/watch?v=Fgzhs9KwfL8
と思ったら出てきた。手動駆動、恐らく自動着床装置つき、そして自動扉のものだ。

http://www.youtube.com/watch?v=nuv3kFqVsOU&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=NtrqXWcMD70&feature=related
これはすごい。カナダのカルガリーパブリックビルのもの。真鍮パイプを束ねた「安全扉」で手動式のもの、日本では見たことがない。しかも丁寧に説明してくれている。

http://www.youtube.com/watch?v=izETHLjOphw&feature=related
アメリカ版「働くおじさん」。

http://www.youtube.com/watch?v=sdghTLnfkJw&feature=related
そして働くおばさん。

http://www.youtube.com/watch?v=AyAgYTSVqjM&feature=related
サン・フランシスコのCoit Towerのインジケータ。

http://www.youtube.com/watch?v=8mxNc8ND-Dw&feature=related
同じく、コイトタワー。長いが、エレベータは少ししか出てこない。

http://www.youtube.com/watch?v=ZzlhOt1nWiY&feature=related
1940年製だそうだが、もっと古く見える。自動駆動、ブリュッセルのアパートらしい。

http://www.youtube.com/watch?v=U1Ie68xHayo&feature=related
1899年のエレベータ!!

http://www.youtube.com/watch?v=QVdYzF5Camo&feature=related
1939年製、なんと二人乗りのミニエレベータ。自動駆動だが二面にドアがあるタイプ。

http://www.youtube.com/watch?v=PBCkcw-G2eM&feature=related
とうとう日本のものも発見。これは銀座の奥野ビルである。

http://www.youtube.com/watch?v=oFA2UVy1Hbk&feature=related
存在は知っているが、まだ乗ったことのない、旧丸井今井百貨店函館店のもの。ちゃんと動体保存されているのがいい。完全手動式のようだが、にもかかわらず外扉は平面のモダンなものらしい。

http://www.youtube.com/watch?v=x3yv2o-xj8U&feature=related
八分もあるが、旧函館丸井今井の店内。エレベータも出てくる。但し、この投稿者は「丸井」と「丸井今井」を混同している。なお、この建物は1923(大正12)年、木田保造の設計で建てられたとある。ということは、1922年竣工の神戸大阪商船ビルヂング(商船三井ビル)のものが、やはり「現役最古」となるだろう。今は函館市地域交流まちづくりセンターとなっている。サイトには「東北以北最古のエレベータ」と控えめに書かれているが、多分動いているものとしては日本で二番目に古い。

http://www.youtube.com/watch?v=HhlwHNcdmbo&feature=related
愛媛県庁舎。このページで紹介している旧~戸生絲檢査所と同じく、半円形時計式ながら電光式というものだ。

http://www.youtube.com/watch?v=gP-VUd5gUlY&feature=related
そして前章で紹介している横浜松坂屋のもの@。

http://www.youtube.com/watch?v=gP-VUd5gUlY&feature=related
横浜松坂屋(旧野澤屋)A.

http://www.youtube.com/watch?v=E_3f7OlwuTU&feature=related
都内だそう。悔しいが、僕の知らんやつだ。

http://www.youtube.com/watch?v=cP1mSMM7IiA
これは当サイトで再々紹介している、高島屋難波本店東別館(旧松坂屋大阪店)のもの。籠はオリジナルでないのが判る。

http://www.youtube.com/watch?v=RZHSMTGRvyo&feature=related
無茶苦茶小さい、二人乗りエレベータ。閉所恐怖症の人はパニックを起こしそうだ。

http://www.youtube.com/watch?v=Fup_IpYtDHQ&feature=related
おまけにセサミストリートより。

http://www.youtube.com/watch?v=YO3ooqZ83Rw
もう一つおまけに、紐育の木製エスカレータ。




戻る